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藤野ぐるっと陶器市2025年の新情報はこちら

2024年5月18〜19日に、毎年恒例の藤野ぐるっと陶器市が開催されました。新たな会場も加わり、賑やかさを増した陶器市の様子を今年も藤野在住ライター・まんぼうがお届けします!

藤野ぐるっと陶器市2024 レポート

​平川まんぼう

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1.しぜんと遊ぶ

 

里山の自然素材を使って自由自在にものづくりをするクラフト作家さとうますよさんの工房「しぜnと遊ぶ」は、高台にあり、藤野の山並みを見渡すことができる会場です。丁寧に整えられた広い庭とガレージ、自宅とアトリエの一角が会場になっていて、今年もたくさんの作家の作品が並びました。藤野でも大人気の陶芸家、内山亜矢子さんが、この会場では初出店です。朝一番に伺いましたが、常連のお客さんが目当ての作家さんの作品をチェックし、次々と購入。みなさん忙しく接客していました。建物内にはたくさんの作品が並んでいますが、庭は数人の作家さんがテントを立てて出店しているのとパンやコーヒーが販売されているのみ。ゆったりとした空間に、遊具やベンチ、日差しよけのテントがあり、子どもも大人も、思わず時間も忘れてくつろいでいます。途中、ご近所に住むアコーディオン奏者のゲリラ演奏もあったりと、いつまでも飽きることなく、ゆったり過ごすことができました。敷地の入口付近にはキッチンカーも出店。食事も楽しめます。

実はこの場所、山の向こうに夕陽が沈む絶好のビュースポットでもあります。天気が良ければ、1日の最後に訪れるときれいな夕焼けが見られるかもしれません。

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2.芸術の家

 

体験工房、音楽ホールやスタジオ、宿泊施設などを兼ね備えたアート体験施設「芸術の家」。今年も玄関前の野外スペースに、たくさんの作家さんのテントが並びました。芸術の家スタッフとつながりがある、関東各地の作家さんが出店していて、地元の作家さんはあまりおらず、いつもと違った作家さんの作品を見たいという地元の方や、陶器市の常連で新しい作家さんを発掘したいという人にはとってもおすすめの会場となっています。昨年から出店者数がぐんと増え、個性も豊か。ぐるりと回れば必ずお気に入りの作品と出会えるのではないでしょうか。気になったのが、貴重な国産漆と国産木材を使った漆器作家、〇〇さんの作品。陶器が並ぶ中で、美しい艶のある漆器はひときわ注目を集め、多くの人が足を止めていました。

施設内にはレストランがあるほか、そのレストランがテントでサンドイッチなどの軽食を販売しています。購入して、芝生広場や移動中の車内で食べるのもいいかもしれません。また、藤野は宿泊施設が少ないため、陶器市を2日間かけてじっくり巡りたい人は、こちらで宿泊するのがオススメです。大人が買い物している間、お子さんは体験工房や芝生広場で遊ぶこともできるので、家族連れできても、みんなが楽しめること間違いなしです。

3.日連神社

 

「工房艸」に先に伺おうかと思ったら、ちょうどお昼どき。すぐ近くのカフェレストランShuを利用するお客さんの車もあったためか、用意されていた駐車場はいっぱいでした。そこで予定を変更し、同じ道沿いにある会場「日連神社」を先に訪れました。その近くの「青○寺」は、穴場の駐車スポット。日連神社までは5分ほど歩きますが、いつ行ってもすぐ停められるので、歩くのが苦じゃない人であれば、ここに停めて里山散歩を楽しむのがオススメです。

新緑の木々に覆われた神社の境内は、ガヤガヤととても賑わっていました。緑をかき分けるように中に入ると、まるで縁日のようにテントがずらりと並び、お祭りに来たような気持ちに。作家さんもみな常連で、お互いの作品を見て回ったりととても仲良し。どの作家さんとも自然と話が弾むのは、このまったりとして気負いのない、フラットな空間のおかげでしょうか。途中、相模原市長も視察に来て、この雰囲気を楽しんでいました。個人的に毎年作品を購入している益子の陶芸家、岡部耕太郎さんの「マッチョくんシリーズ」や陶器市の代表でもある林〇〇さんの動物モチーフの作品は、見ているだけでニヤニヤしてしまう楽しさ。ぜひ前後左右斜めからじっくり眺めてみてください。

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4.工房艸(そう)

 

「日連神社」で作家さんとゆっくり会話を楽しんだあと、駐車場は空いたかなと恐る恐る向かってみると、無事空きがありました。時間によっても駐車場の空き具合はずいぶん違うので、臨機応変に予定変更するとスムーズに回れるかもしれません。細い道を入った先にある「工房艸(そう)」。会場近くにも駐車スペースがありますが、道が細いので私はカフェレストランShuの近くの臨時駐車場を利用します。小道を入ると、山ばかりの藤野にこんなに広い平地が広がっているなんて、と誰もが驚くことでしょう。木下純子さんの工房兼自宅前の庭とテラス会場で、木々が植わった庭の奥はよく見えず、何があるのか、ワクワク感が募ります。ここにもお店が!あそこにもお店が!とウロウロするのが楽しい。

と、ここで何も食べていなくてお腹ぺこぺこだったことに気づきます。今年は昨年よりも会場内の飲食出店が少なく、レストランを利用しないと、回る順番によっては食べ損ねてしまいそうな状態でした。年によってこのあたりの状況は変わるので、事前にチェックしておくと安心です。工房艸では上野原市のふわふわ絶品なたこ焼き屋さん「マルハチレトロ」と同じく上野原市の「ニモカフェ」の軽食とスイーツが楽しめました。広い空と庭の深緑を楽しみながら、ほっとひと息。昼下がりに英気を養ってまた出発です!

5.里+(プラス

 

今年、陶器市初参加となった会場が、甲州街道沿いの多国籍料理レストラン「里+」。2024年1月にオープンしたばかりの新しいお店だ。お店前の駐車スペースは狭く、ちょっと不安になるかもしれませんがご安心を。実は斜め向かいの空き地も里+の駐車場です。1階はレストラン営業をしていて、どうやらお昼どきはとても混み合っていた様子。では、陶器市の会場はどこかというと、入口横の階段を上がった2階でした。普段はスタジオやイベントスペースとして使われている空間に、靴を脱いで上がります。ご近所に住む絵本作家の西村繁男さんが陶釉舎の碓井直弘さんの陶器に絵付けしたレアな作品をはじめ、近隣の陶芸家さんやカバン作家さんの作品が並んでいます。窓の外は相模湖とその奥の山々が借景として切り取られ、とてもきれい。まるで別荘地にでも来たようです。

空間としては小さめで、出店者数も少ないのですが、その分とてもアットホームでひとつのチーム感の生まれていた居心地のいい会場でした。食事もできるので、ランチがてら訪れるもよし。混み合う時間を避けたければ、あえて朝一番や夕方に訪れるのもいいでしょう。この日は15時ごろに伺いましたが、レストランのほうは落ち着いていたので、小休止するにもいいかもしれません。

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6.酔月庵

 

陶器市の会場としては唯一、駅の北側にある「酔月庵」。1箇所だけ離れたところにある上、飲食出店もないので、どうしても朝一でいくか最後に行くか、という選択になってしまうのではないかと思います。そういえば私も3年連続、初日の最後に訪問。いつか昼間の会場も楽しみたいところですね。こちらは、駐車場も会場も、少々わかりにくい場所にあるため、設置された看板を見逃さないように注意が必要です。県境を超えて上野原市まで行ってしまわないように、安全運転でのんびり県道を進んでください。

ここには、地元在住の陶芸家・溝口とみえさんの陶器のほか、地域でものづくりをしている方々の洋服や小物、ストールなど、さまざまな作品が並べられています。このほか、野菜や山菜などの販売もあり。地域の女性たちが手伝っていて、暮らしを垣間見られる空間が魅力的です。

道路から奥まった高台にある酔月庵は、山が立ち並ぶ光景を楽しめる絶景スポットでもあります。毎年、定点観測のようにこの場所に立つと、周囲の木々が少しずつ成長していることが感じられます。庭に用意されたイスに座ってその光景を眺め、しばしのんびり過ごすと1日歩き回った疲れも吹き飛ぶ。駅の南側は店も多いし、イベントもいろいろと開催されているため、訪れる機会が多いものですが、北側でのイベント開催は珍しく、気軽に訪れることができる貴重な機会にもなっています。山深い道をくねくねと進むドライブも楽しいひとときです。

7.陶釉舎

 

陶器市2日目は、4つの会場が集まる篠原地区を徒歩で回ります。車で来る方は、「keramos」の会場でもある篠原の里の駐車場を利用。そこから各会場へは、徒歩で向かうことになります。なかでも、篠原地区のいちばん端にあり、上り坂を10分ほども歩かなければならない陶釉舎は、ハードお散歩コース。その分、広々した会場にたくさんの作家さんが出店しているのでわざわざ行く価値ありなのですが、体力的に不安のある方は、無料シャトルバスに乗ると陶釉舎目の前で下車することができますのでご利用ください。

陶釉舎は、陶器市発祥の地でもあります。今年も湘南方面の作家さんをメインに、たくさんの作家さんが出店。敷地の入口やテラスのほか、テラスと工房の間の通路には各作家さんのブースがずらりと並び、歩きながらひとつひとつじっくり見ていくことができます。1周では決められず、2周3周と歩きながら吟味し、お気に入りの作品を見つけていく。そのプロセスがなんだか楽しい会場です。建物内にも陶釉舎の碓井直弘さんと吹田千明さんの作品のほか、複数の作家さんの作品展示が。室内展示はしっとりと落ち着いた作品が多く、外と中で、雰囲気の違いを楽しめました。森に囲まれた広いテラスは居心地が良く、ここまで歩いてきたのだからと、ゆっくりと作品を見て過ごす人も多く、お客さんの滞在時間が長いように感じられました。

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8.釜戸の上

 

篠原の里と陶釉舎のちょうど中間地点あたりにある会場が、庭とテラスを開放している「釜戸の上(かまんどのうえ)」。陶芸家・西村まゆみさんとナオコラヴさん、家主であり、木工作家の長崎克央さんの作品展を開催。加えて今年は、つるカゴを制作しているご友人が特別参加。そのクオリティの高さと手頃なお値段に、多くの人が足を止めていました。

入り口を入って左側にある小さな小屋は、ナオコラヴさんの展示スペース。絵や陶人形、本など、さまざまな作品が並んで、独自の世界観をつくりあげていました。縁側前と奥の小屋は西村真由美さんの展示スペース。使いやすそうな優しい表情の器が並びます。そして長崎克央さんのつくる椅子やベンチなどの家具は、自由に座ってみることができます。小休止も兼ねてゆっくり過ごす方が多かったように思います。長崎さんは、地元産材の無垢板を多数所有していて、作品だけでなく、材そのもの販売も行なっています。これを目当てにやってきているお客さんもいるようで、おもいのほか興味を持つ人がたくさんいることに驚きました。

たくさんの作家さんが出店している会場も楽しいですが、陶器だけでなく、絵やオブジェ、つるカゴに木工作品と、さまざまな形のアート&クラフトがぎゅっと詰まった箱庭のような会場でのんびり過ごすのも、とても良い時間です。

9.keramos+

 

篠原の里(旧篠原小)の校庭を会場とする「keramos」は、出店者数が多く、陶器市の最大規模の会場です。また、篠原地区の会場を回る際に車を置く駐車場が目の前にあり、飲食の出店も多数あります。というよりも、篠原地区ではkeramos以外に飲食の出店はほぼない状態のため、食事をとりたい方は、必然的にkeramosを訪れることになります。お昼時間帯は非常に混み合うため、時間をずらすなどしておくと安心です。

陶芸家さんの出店を中心に、レザークラフトや木工品、各種飲食店など、たくさんのお店が並んでいます。とにかく出店者数が多いので、ぐるぐると見て回るだけで楽しい。作風もさまざまで、お気に入りの作品が必ず見つかるのではないでしょうか。長距離を歩くのが難しい方は、こちらの会場をぐるっと見て回るだけでもかなり楽しめるのではないかと思います。
テーブルとイスもたくさん用意されているので、食事はもちろんのこと、少し休憩したいときにも気軽に利用できます。元小学校ということもあり、遊具が置いてあったり、道路に飛び出る心配がないなど、子どもたちを安心して遊ばせることができるのも嬉しいポイント。篠原地区を回るベース拠点としてうまく活用したい会場です。ちなみに私は、1日陶器市を回ってクタクタなので、晩ごはんも毎年、ここでテイクアウトして帰ったりします(笑)。

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10.高橋安子アトリエ

 

篠原の里近くの細い路地を入った高台にあるのは、陶人形作家・高橋安子さんのアトリエ。ご自宅とパートナーの高橋政行さんの工房の間に風が抜ける心地のいいテラスがあり、お客さんはここで休憩したり、お茶をしたり、思い思いに過ごします。例年、この高台にあるテラスから見る光景がとても美しいのですが、ここ数年、周囲の木々が成長して、その光景を新緑の枝が遮るようになりました。遠くの山々は見えづらくなりましたが、その代わりにちょっとした木陰と木漏れ日がテラスの心地よさを増してくれています。

テラスでは、普段は通販専門で販売している人気のパン屋「スロウパン」の販売があります。年に1度の貴重な機会。スロウパンファンは心得ていて、初日のスタート前にはすでに大変な行列だったとか。今年もやはり2日目は焼き菓子が少々残っているのみ。パンを購入したい方は、初日の早い時間に行くようにしてください。

自宅建物の中では安子さんのつくる陶人形と、お隣の旧相模湖町で暮らす絵描きAiko pooleさんのイラストやグッズの展示販売が。Aiko pooleさんのイラストは昨年から陶器市のパンフレットにも使われています。ファンタジーの世界が現実に溶け込むように、今にも動き出しそうな安子さんの陶人形は、みているだけで楽しい。みなさん思い思いに、お気に入りの小人を購入していかれます。そして今年も話題の的だったのが、木の実を模した陶作品。どれが本物の木の実でどれが陶製か。何年拝見しても見分けがつかず、初めましてのお客さんとクイズ大会になるのが恒例と

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